フィクション「光る招待状」(後編)  はしくん


 「何よ、この手紙!馬鹿にしてるの!!(パシッ!)」

 オレは今日もこの夢で起きた。おかげでホッペがおたふくになってしまった。

 今日は12月23日。「好きだとツアー」の日だ。とても楽しみにしてた日だが
 大きな期待とつのる不安の両方が胸の中をかきめぐって落ち着かない。

 オレは仲間達を連れてドラマのロケ地をめぐった。ロケ地ではそれぞれが亮介役や
 泉役になって心はどんどんドラマの中に入っていくのだ。しかし、オレの目は
 ずっとのりピーの姿をさがしつづけていた。

 夜の東京タワー。街の夜景は人の感情を増幅させる。オレは柄にもなく涙ぐんだ。
 「がんばるべし、人生前進あるのみ!!」

 みなとみらい。オレ達はパーティの準備をはじめた。メニューはオレ達特製の
 カレーライスとふくじんづけ。特にふくじんづけはたっぷり用意してある。

 いよいよ0時が近づいてきた。オレ達ははじめた。
 「素敵ですね。」
 「ああ。」
 自転車役のオレはここからがたいへんなのである。^^;
 「な、社長にやりなおしくったんだってな。」
    :
 「あたし、あたし好きなんです。」
 「(倒れる)ガシャ!」
 オレは0時の時報を迎えるまで倒されたままだった。

 しかし、のりピーは現れなかった。
 「ね、みんなで輪を組むんだよ。そしておまじないを言うんだ。」
 「それって宇宙人を呼ぶ方法じゃ。。^^;」

 オレ達は輪を組んでおまじないを言いはじめた。
 「のりピーごま。」「来るピーごま。」

 ついにのりピーは来なかった。オレ達はあきらめパーティをはじめた。
 オレはほおづえつき手すりでそよぐ風に吹かれた。

 そのうちパーティは終わり皆帰りはじめた。
 「来なくてあたりまえなんだから。」
 「元気だして。」

 オレは一人で泣きつづけた。

 体が冷たくなるのを感じた。
 泉と同じ場所でなら。。

                    はしくん